RRM0878 強化型ZZガンダム by ぷらも★出る男

スケール:1/100

使用キット:フルスクラッチ


制作者コメント:

◆はじめに
強化型ZZガンダムの立体物は、キット改造や金型流用といった制約からノーマルのZZをベースにした物が大多数ではないかと思います。

しかし、明貴美加さんの手による強化型ZZの設定画とノーマルZZの設定画では、プロポーション、ユニットごとの形状とも全く異なります。(是非お手元の書籍等で見比べてみてください)これをノーマルZZからの部分的改造で完全に再現するのは難しそうです。

そこで今回はノーマルZZや変形、可動との兼ね合いを一切無視、フルスクラッチで自分が一番欲しいZZ=明貴美加さんの設定に忠実な強化型ZZを作ってみました。

普段はCADメインで作りますが、今回は習熟を兼ねてzbrush/blenderで作っています。zmodelerでのローポリではなくスカルプト/ペイントグループ/リメッシュの工程を中心とすることであえて揺らぎを残し、往年の超絶手原型ガレージキットのような凄みのある立体を目指しました。

◆頭
フェイスマスクが設定の角度から見ると設定通り面長な印象に、正面で見るとバランスのいい幅に見えるように、マスクの上から見た時のv字の角度を中心に微調整を繰り返しながら形状をつくりました。側頭部のダクトの膨らみが後頭部で合流せず剃り込み状にヘルメット本体と合流するのも特徴的なのでアレンジせず残していますが、必要以上にダサくせずカッコよく見せるのが大変でした。
◆胴
胸の張り出し具合と太くも細くも見えるお腹の幅感の再現など設定の印象の再現と、立体としての見栄えのバランスが非常に難しいところでした。色々工夫しても胸の張り出し分天面が空いてしまったので、襟周りの上下彫り込みや前後への出し具合を少しずつズラしなどで目立たなくする方向を探っています。お腹は前から見て上下は太く、くびれは思い切り細く、前後面の腕方向への絞込みも面を捻って斜めから見た時のくびれをさらに細く(しかし体幹方向へは厚く)見せてグラマーな方向性に処理しました。
ちゃんとコアファイター時のバーニアも作っています。
◆腕
肩の青い装甲と盾の長さが目立ちますが、細長めの肩、単純な四角ではない上腕、下に向かって絞ったような前腕、人間に比べて関節が一つ少なく指先の尖った親指など全体的に特徴的な形状をしているので一つ一つ拾いました。設定ポーズの見え切りに合わせて左右非対称にポーズをつけていますが、これはもっと分かりやすく誇張しても良かったかもしれません。
◆腰
ふんどしの張り出し具合とそれにつく青い角バーニアの関係が悩みポイントでした。股関節周りは見えないので当時っぽいメカを詰めて遊んでいます。フロントスカートをふんどしへの軸接続や腰天板への蝶番接続ではなく、股間軸から伸ばしたステーに保持させたのが拘りです。(股間幅が広い説得力も出たと思います)
◆脚
ここも前への張り出し形状が多いので似せるのが難しかったです。(前進翼の作画が難しいという話に通じる気がします)各構成要素の位置関係やチラ見えする構造(設定だと黒ベタで処理されている)に説得力を出すためにスネだけダミーフレームを作りました。前面装甲の前の面の丸みと膝関節の後ろに見える変形後用バーニアがチャームポイントです
◆バックパック
工夫しないと箱感が強く出てしまうので側面を中心に角度を付けたり膨らませたりして軽減に気を使いました。
肩上に出るミサイルポッドはもう少し大きくても良かったかもしれません。
◆おわりに
現状のベストは出せたと思っていたので、今回このように評価を頂けてとてもうれしいです。ZZに対するひとつの回答として面白がっていただければ幸いです。ありがとうございました。