製作記事
ダイビングビートル
タカラ 1/35 ダイビングビートル使用

製作・文:J.J.


■ かわいそうな・・・。
「コイツは新型だ!水中で2時間行動できる。」と、薦めるゴウトに、「使い慣れたのがいい、改造してくれ。」と2秒でキリコに却下された、悲劇のATダイビングビートル。そして、そのキットのデキも悪く、いっつも売れ残っていた思い出があります。でも、クメン編にでてくるATの中では、これが結構好きなんですよね。かんかこう、無骨な感じがイイ味だしてます。なんとかこいつをカッコよく作れないもんかなぁと、ずーっと思っていたので、やってみました。

■ 改造のポイント
素組みをしてみて、そのカッコ悪さにあらためて驚きました。なんかオランウータンみたい。手は長く、足は短い。極めつけは顔。まるい皿にタコの吸盤みたいなレンズが3つ張り付いていました。キットの状態も悪く、突き出しピンの跡はそこらじゅうにあるは、パーツの合いは悪いは、脛のパーツに至っては歪んでました。これらの部分を全て直したらそれなりになりそうです。

■ まずは顔から・・・
このキットがイケてない最大の要因はなんと言ってもこの顔!って20年前から思ってました。このノッペリぶりはとても最新型ATとは思えませんから、まずはここから手を入れます。
顔、と言っても皿にレンズが3つ付いてるだけなんですが、このレンズがショボイんで、つるんと削り落とし、プラパイプとモールドパーツで新造。高性能レンズっぽく少し長めにしました。

■ 手、足
手と足は、基本的に素組みですが、左の平手を新造し、各関節と肩のアーマーを後ハメにしてあります。それと、ヒザの裏側のパーツを削って、もっと曲がるようにしました。
右の脛パーツが変形していて、ヒザの窪んでる部分の合わせ目が消せなかったんで、右ひざはプラ板で新造。(しんどかった・・・)

■ 胴
 胴体も特にいじってません。ちょっと太いかな、とは思いますが、ヘビー級ですし、ポージングで何とかごまかせそうです。股関節は、例によって前方下方にそれぞれ5mmずつずらして作り直して、足を少し長くしました。

■ 塗装と仕上げ
ネイビーの部分は、コバルトブルーにメタリックブラックとフラットベース。グレーはライトグレー系に、ホワイト、シルバー、フラットベース。スワンピークラッグは、シルバーにネイビーブルーとシルバー、ブラックでサフ無しで筆塗りです。エアコンをつけて塗装してると、塗ったそばから乾いてしまうので、かなり難航しました。今回はデカールを貼って、ウェザリングを軽くかけてあります。エアブラシで シャドウを入れられないので、エッジ部に黒鉄色で大きくウェザリングし、さらにシルバーを重ねました。油汚れは、墨入れで使ったうすめ液ですませました。

■ 完成!
 そんなに大げさな改造をしなくてもそこそこ見れるようになりました。このシリーズはホントに作りがいがありますね。何かをすればしただけ目に見えて変わります。そんな矢先、友人から1体のキットをもらいました。作りかけのベルゼルガなんですが、挫折したんで、あと頼むって・・・。いろんなところをチョコチョコ作ってあるんですけど、よけいなところを中途半端に削ってあったり、関節が折れてたり・・・。これは大改造しないと完成しなそうです。まぁ、クメン編の続きって事で、次回はベルゼルガで。