レプラカーン バンダイ 1/72 HGレプラカーン使用 製作・文 : J.J. |
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♪オーラロードがひらかーれたぁ〜 いよいよ待ちに待った「ダンバイン」がテーマになりました。 大好きなんですよ、ダンバイン。もちろんボトムズとともにオンタイムで見てました。 しかし、そのころはプラモといえばボトムズばっかりで、オーラバトラーはキットはたくさん持ってはいるものの、1体も作ったことはありません。ですからこのレプラカーンは、ぼくのオーラバトラー処女作となります。 ビルバイン、レプラカーン、ライネック、バストール。ぼくのオーラバトラーベスト4です。 はじめは旧キットのバストールを大改造して・・・と思ってましたが、ガンプがわざわざ中国から「バストールは俺がやる」なんてメールしてきたんで、急遽レプラカーンに変更しました。 ■ レプラカーン レプラカーン。ヘンな名前。ビランビー、ボチューンよりましか・・・。 そんなことはいいんですが、凶悪な顔といい、股間にチン座したキャノン砲といい、かなりアクの強い機体です。パイロットのジェリルも含めていい味だしてるんです。 キットは旧キットとHGがありますが、どちらもデキはトホホな感じです。旧キットのほうはボリューム感がまったくありませんし、HGのほうはボリューム感はあるものの、全体的にもったりした感じ。どちらも持ってますが、HGのほうが同じ1/72でもデカいんで、今回はHGのほうを作ることにしました。 それと、模型道のコラムで書きましたが、独自の解釈により、オーラバトラーではお決まりの「生物っぽい」感じにはせずに作ってみたいと思います。 ■ 設計図の完成写真 例によって仮組みの代わりに、完成写真で全体のチェックをしてみます。 この他にも、いろいろサイトをまわっていろんな方の作品や、感想を見ました。 ぼく自身が気になる点をあげてみると、 ● 足が短い ● 肩から二の腕をつなぐパーツが長すぎて不自然 ● 間接パーツがイケてない もっといろいろ細かい部分はありますが、必須課題はこの3つ。あと、コンバータが重すぎて自立しにくい、との指摘が多いので、これもなんとかしないといけません。 久々にいっぱいいじる部分があるんで、さすがにまったく仮組みしないというワケにはいかず、腕、足など部分部分で仮組みはしました。その結果、 @ 手首、足首を除くすべての間接を自作 A 脚部の幅を詰めながら、モモ、脛を延長して下半身をスラッとさせる B コンバータの軽量化 C 足首の稼動範囲を広げてより大胆なポージングができるようにする 以上4点を今回の課題としました。 ■ 間接部の除去 自作の間接はどんなモノかは後述するとして、まずは手首、足首の間接部を残し、すべての間接を取り付ける部分(パーツの裏側)をリューターで削り落とします。
■ 細くする部分 次に脚部の細くする部分の準備です。 キットで太いと感じるのはモモの内側。それと、足首の内側は形状はいいんですが、可動のためのクリアランスをかせぐために内側を削っておきたいところです。これらのパーツにはポリパテで裏打ちしておきます。
■ 脚部の加工 ここでモモはいったん接着して長くするため切断してからプラ板を挟みます。 こういう長さを変えるためにパーツをカットする場合、本来は継ぎ目の処理がしやすい1番太い部分を切るんですが、このパーツには外側にモールドがあるんで、このモールドの下をカットしました。 スペーサーとして挟むプラ板は、1.2mmのものを3枚重ねて、間接が入るよう穴をあけます。 これでモモ部分は約3mm延長されました。その3mmにはなんの根拠もなく、例によってフィーリングです。 次に足首ですが、甲の部分は内側のくるぶし部分を削って分量を減らします。 足首のボールジョイントを受けるポリキャップを取り付けるところがあります。そこをエポキシパテで4mmくらい底上げし、ポリキャップを90度回転させて取り付けました。 こうすることで足首そのものが延長されるのプラスポリキャップが上下に5mm動くようになります。これは足首を曲げるときのクリアランスになります。 これって狙ってやったわけではなく、脚全体を伸ばすのにはどうするか考えていろいろいじっていて発見しました。 脚部の加工はまだまだ続きます。 いよいよ脛パーツの加工ですが、ここが1番苦労しました。 足が短い短い言ってますが、最大の要因はこの脛の部分です。 前後にも左右にも。特に前(裾口近辺)が気になります。甲が出すぎですもんね。 というわけで改造です。 この部分は、切断して延長ではなく、各パーツの下をプラバンとポリパテで延長しながら成形していく方法をとりました。 オレンジのパーツには1.2mmのプラ板を、赤いパーツには0.3mmのプラ板を使いました。オレンジのほうはパテを盛った後も付けたままにするので瞬着でしっかり接着し、赤のほうはパテ硬化後にはがしますので、点留めで軽く接着してあります。 そしてポリパテを盛り付けます。(写真右) 1日放置して成形作業に入ります。削りだしには平と半丸の棒ヤスリを使いました。 削ってまた盛って削ってと、2回やったところ。 元のパーツと比べるとずいぶん延長されてるのがわかります。 この段階では細かい部分にこだわらないで、とにかくイメージするカタチになるまで繰り返します。 このキットでは脛の外側が開閉するようになってるんですが、合わせ目がピシっとしないので接着しました。 1つのパーツとしてみればバランスもよりとりやすくなります。 で、この状態ではまだまだボリュームが足りないのでさらにパテを盛り付けます。 こんなことを5,6回やったでしょうか。 ある程度のところまできたら、もっとイメージに近づけるように、スジ彫りを入れます。 このパーツには小型の目立てヤスリとPカッターで彫りました。 ここから仕上げになります。 左右で違う部分を修正し、気泡を埋めます。 サフで埋められる程度のキズや気泡は残っていますが、問題はないでしょう。 これでメインの改造は終了。いやぁ、長かったですね。作業そのものは簡単なんですが、時間はかかります。またやるときは(もうやりたくない)覚悟が要りますね。 モモ、脛、足首の3箇所で延長しました。これでスラッとした足長になりました。最後によく水洗いしてサフを吹き、最終チェックです。キレイにやったつもりでもサフを吹くとやっぱりあっちこっちにアラがでてきます。穴や隙間がいくつか見つかったので、それらを修正し完了。 ■ その他の部分 このレプラカーン、足さえ何とかしてしまえば後はほとんどいじらなくてもいいくらいの完成度です。 コンバータと口の中、それとほっぺにあるバルカンにも穴を開けました。 このキットに限ったことではないんでしょうが、全体的にモールドが浅く甘いので、ほとんどのモールドはケガキ針で彫りなおしてあります。 同様に指や牙、爪などもダルダルなので、シャープに削ってあります。 そして左の握り拳は剣を挿す穴が開いているのでエポキシパテで埋めて指のモールドを彫ってあります。 そして最後はコンバータ。 作った印象だと足の事ばっかり思い浮かびますが、こうして記事を書いてると、ほとんど全身何かしらいじってたんですねぇ。 ■ 塗装 すべての工作が終わってようやく塗装です。 まずはサフを吹くんですが、今回はプレーンな面と梨地面を作りました。オレンジの部分はプレーンに1000番のサフを吹きます。赤い部分は500番のサフをかなり離して吹きデコボコが残るようにしてあります。 牙と爪はホワイトサフを吹きます。 塗装はSGKで行いました。まず、エッジとモールド部分にベースグレーを吹き、その後色を乗せていきます。 説明書の完成写真を見ると、なんか石鹸みたいになってますので、カラーはオリジナルにしました。オレンジの部分はMr.カラーのオレンジにフラットベースを少量。赤い部分はレッドにハルレッド、ブラック、フラットベースを混ぜて作ってみました。トップコートで艶を消すのになぜここで各色にフラットベースを混ぜるのか?それは艶を少し抑えたほうがグラデーションの出具合が見やすくなるためです。これはぼくだけが感じることかもしれませんが、光沢カラーを吹くよりはずっとわかりやすいような気がします。 オーラバトラー独特のフォルムを強調するため、グラデーションは少し強めにしてみました。 牙、爪は、根元のほうにブラウンを吹き、そのさらに根元にベースグレーを吹いて、1段グラデーションを作った後、ホワイトにセールカラーを加えた象牙色を乗せました。 最後に牙、爪以外の部分に艶消しのトップコートを、牙、爪部分は半光沢のトップコートを吹き、エナメルのフラットブラックでスミ入れをして完了です。 嗚呼・・・。1番好きな塗装が終わりいよいよ制作もクライマックス。最後に大仕事が残ってます。 ■ 関節 今回、脚部の大幅な改造ともう1つ、メインとなる改造、それがこの関節部の自作です。 設定資料を見る限りでは、オーラバトラーの関節には無数のコードが詰まったようなカンジに描かれています。実際、HGのキットの関節はそういうモールドが入ったパーツになっています。それら関節パーツを本物のコードで作ってみようというわけです。名づけて「フレキシブル関節」! 例によって頭の中ではかなりいいカンジになってるんですが、どうなることやら・・・・。 使った材料です。一番下のヤツはスジ状のモールドが入ったゴムチューブで、右上の3つ丸まってるのが10芯コードと呼ばれるリード線です。そしてグリーンのヤツがアルミ線です。 まず、芯となるチューブを適度な長さに切って、その回りに同じ長さに切ったリード線をくっつけて各パーツの穴にはまる太さにしていきます。と、言うのは簡単なんですが、つなぐ穴同士は大きさが違うので、短く切ったリード線を付けたりテープを巻いたりして調整します。これがまた手間がかかります。 肘関節のテストショット。 肘の関節は1番小さい関節なのでまずはここから作ってみました。 ゆるいと止まらないんでピッタリはまるように何度も調整します。 関節がきちっと止まるようになったらチューブにアルミ線を通します。 そのままだと曲がりませんが、アルミ線を通すことで関節を曲げたカタチにできるわけです。 こんな要領で肘、肩、股、ヒザの各関節を作っていきます。 首の関節はコードで自作はムリと判断し、キットのゴムパーツにしましたが、なんか色が薄いので、エナメルのフラットブラックで塗装して付けました。頭の中の関節受けはリューターで削っちゃってますから、胴体から出てるパイプ状のパーツにボールジョイントを差し込んで、エポキシパテを詰めた頭に突き刺しました。(こういうのを2度手間ってゆーんですよね・・・) これが全身のテストショット。関節部はちょっとしか見えませんがなかなかリアルに仕上がりました。 しかし、ここで大問題が・・・。 関節はきちっとはまったつもりでいても、いざ立たせてみると重みですぐ動いてしまいます。上の写真でも関節部はかなりゆるく、後ろに寄りかかってる状態でも3分立ってるのがやっとです。もちろん持ち上げることなどもできません。 最大のネックは股とヒザ。ここをなんとかしないとポーズどころか自立もできません。 ここから改善していきます。 キツくするのは簡単で、できている関節に細いリード線を1本ずつ差し込んでいけばいいんです。各関節の端の部分はコードがバラけていますから、細〜く切ったセロテープを巻いて束ねます。 ■ 完成 関節の補修が終わり完成です。なんとか自立はするようになったものの、各関節少し不安定です。ポーズをとらせるには曲がった状態の関節を作ったほうがいいかもしれません。(フレキシブルじゃないじゃん!) はっきり言ってこの関節は失敗でした。今にして思えば、後ハメ式の関節パーツを細くて強度のある素材で自作してその回りにコードを這わせるようにすればよかったと反省してます。コレは次回の(あるのか?)課題として残すこととして、今回はこれで完成とします。 いやぁ、長い道のりでした。途中仕事が忙しくなって1ヶ月近く手を付けられなかった期間はあったにしても、まるまる4ヶ月かかりやっと完成しました。 やはり時間がかかったのは脚部の造形です。盛って削ってが永遠に続くかと思うほどイメージに現物近づけるのは難しく、実力以上のデキを望めばその見返りに手間暇のかかる作業を要求されるのを痛感しました。それでも何とか完成までこぎつけ、改めて見てみると、時間がかかった分ほぼイメージ通りに仕上がりました。 さて、次なんですが、コイツに時間を使いすぎて、参戦を予定していたオラタコ選手権は見送るハメになっちゃいました。ネタも用意して楽しみにしてたんですけど・・・。 まぁATはぼくのライフワークでもあるので、次回ということにして、次は地元のモデラークラブのコンペに参加する1/144HGジン・ハイマニューバを組む予定です。こちらも締め切りが2月いっぱいなので、急ピッチの作業になりそうです。 RRMのほうは、2月から制作テーマがエルガイムになってますので、こちらも進行させないといけません。当初は1/100のオージェと思ってたんですが、1/144のアシュラ、バッシュ、mkUも気になってるんで、しばらく迷います。(この時間がシアワセ だったりする) というわけで、またまた長くなっちゃいましたが、ここまで見てくださったみなさん、ホントにありがとうございました。今年はガンガン作りますよ!ではまた! February.2006 |