RICK−DOM
1/144 HGUC DOM/RICK−DOM使用

制作・文 : J.J.

★5月。RRMの制作テーマがファーストガンダムになりました。
RRMが結成されて約2年。巷に溢れかえるガンプラサイトを横目に様々な
  リアルロボットを制作テーマにしてきました。
そしてとうとうファーストガンダムを作る時がやってきました。
中学生の頃、初めてガンダムというキットを作って以来、ぼくをこの道に引っ張りこんだガンダム・・・。
当時この「ドム」ももちろん作りました。1/100は砂漠用迷彩塗装に、1/144麦球でモノアイを発光させて作ったんですよね〜。あれから22年経ち、新しく生まれ変わって発売されたこのキット、今回は模型仲間主催のコンスコンコンペに出品すべく、制作にかかりました。

■秀作キットを組む心構え
このキットは今年発売されたばかりの新しいキットです。当然雑誌や模型サイトでのレビューや作例などはかなりの数です。そして何を見てもキットはべた褒め。
二の腕、胴、ヒザ裏の合わせ目消しがあるのと、ヒザ関節が後ハメになっていない事以外は申し分のないデキのようです。
こういうキットを組むのなら、やっぱり塗装が決め手になります。
 というわけで今回は、関節の後ハメ加工はせずに、合わせ目消しのみを行って、塗装で勝負!(いつもの事じゃん・・・)
今回のテーマは重モビルスーツらしく、また、「兵器」をイメージさせるカラーリングを目指して制作を開始しました。

■サクサクやっちゃいましょう!
今回も例によって仮組みをすっ飛ばしてスピード重視。ただ、設計図の写真で気になる部分を発見。
左の写真はふくらはぎ内側のバーニアが見える部分なんですが、ピンがでっかく張り出して見事に雰囲気を壊しています。
この角度で見ることはあまりないかもしれませんが、数少ない気になる部分なので、この部分はリューターで削り落としてしまいます。
右の写真は、左側の二つが加工前、右側の二つが加工後です。これで、バーニア周りがすっきりしました。
パーツをどんどん切り出してゲート跡とパーティングラインの処理をしていきます。いつものごとく、ゲートはデリケートな部分に付いてるのがありますので注意ですね。
ここまでで全部のパーツの処理が終わりました。
さすがファーストのMS。パーツの数が少ないっ!
この作業で見つけたモールドが甘いところはケガキ針で彫り直しておきます。
バズーカの丸いモールドは、そのままドリルで穴を空けました。


■塗装
設計図の完成写真を見ると、なんだかアニメチックで軽そうな感じです。
ドムといえば「重」モビルスーツですので、重量感のあるカラーリングにしたいところです。
まずは内側の見える部分から。
ドムと言えば裏側が赤!ですから、見える部分は全て赤(裏側用に調合してある)で塗っておきます。
後で表面にサフを吹いたり塗装した時に汚れますが、それは「味」になるので、マスキングなどはしないでおきます。

バズーカは、サフ後にベースグレーを吹いて焼鉄色をグラデーションをかけながら乗せてみました。
実弾兵器なので、焼けたり煤けたりした感じを表現したかったんですが、なかなかいい感じになったと思います。

そして本体のカラーレシピは・・・
紫の部分は、パープルに明灰白色とホワイト、シルバーを加え、ブラックで調整しました。彩度を落として兵器感を出しつつ、パープルの色味は残す感じです。
胸部のグレーは、ベースグレーにベースグレー3(白い機体の下地用に作った明るいベースグレー)を乗せたんですが、隠ぺい力が強すぎて少し吹いただけでエッジまで全部隠れてしまい、ベタ塗り状態になっちゃいました。
そこで、ベースグレーを細吹きにしてシャドウをかけてみました。
黒い部分は、ベースグレーの上にメタルブラックを吹いたんですが、シルバーの粒子が思いっきり目立ち、見た目はほぼグレー。こりゃいかん。どうみても失敗です。塗り直そうとした時、ふと思いつきました。通常よりもかなり薄めた黒でシャドウをかけたらどうなるんだろう?
試しにやってみるとこれがまたいいカンジ!色味はもちろん、中央に残ったシルバーの粒子がハイライトになって絶妙な表面感になりました。黒い部分のグラデーションはどうしようか悩んでましたがこれで一気に解決です。
まさに「怪我の功名」ってヤツですね。
そして胸のところにデカールを貼って半光沢のトップコートを吹いてほぼ塗装は完了です。

■最後の最後で・・・
ヒート剣、バーニアノズルの塗装も終えて、いよいよ各パーツをパチパチ組んでさぁできあがり・・・
あれ?なんだこりゃ!
胸に貼ってコートした「07」のデカールに大きなキズが・・・。
ショック!放置するにはあまりに目立つキズでした。アタマが真っ白になって写真撮るのも忘れたくらいです。
なんで・・・?なんて考えても始まりませんから、下の塗面ごとペーパーで削り落としました。

「せっかくキレイにできたのに〜」(涙)
コイツのリカバリーは大変でした。周囲をマスキングしてサフからやり直しです。ベースグレー→ベースグレー3→ベースグレーシャドウと重ねて、マスキングテープを剥がすと見事な段差になっています。この段差を1200番のペーパーでならし、色がハゲた部分はベースグレーのドライブラシでリタッチ。
そして再びデカールを貼ってトップコートをたっぷり吹きました。
これでなんとかリカバリーできましたが、1時間もタイムロスです。
これでようやく完成かと思いきや、さらなる悲劇が・・・。
あ、あれ?肩がハマらない・・・!
肩パーツに仕込むポリキャップを間違えました・・・。
「だから仮組みしろって言ったじゃん!!!」
もう下半身は見事に完成しているその横で・・・。
アタマが真っ白になって写真撮るのもわすれたくらいです。(2回目)
この肩パーツは接着して合わせ目消しをしてあるパーツなので、割った場合最低でも完成は2日後になってしまいます。ここまできてそりゃないでしょう。
・・・何とかならないか、と考えてひらめいた!
スコープドッグの肩のアーマーを後ハメに加工するのと一緒じゃん!
早速中のポリキャップをナイフで切断して取り出し、ポリキャップの取り付け穴のふちを入り口ごとリューターで削ります。
で、ポリキャップの軸を斜めにカットして、ピンセットの柄で押し込むと・・・
パチン、と音がして見事に成功!

写真の上は間違えたポリキャップを取り出したところで、下は加工後です。
多少見栄えは悪いんですが、まったく見えない部分なので一安心。
これをもう1つやってなんとかリカバリー終了。
ここでは1時間半ロスしました。

■完成!
そんなこんなで何とか完成しました。
製作開始から約1ヶ月。まぁまぁのスピードでした。
リックディアスもそうでしたが、デブなのでイマイチポーズが取れないのはご愛嬌、といったところでしょうか。
しかし組みやすくていいキットでしたね。これならもう1体やれと言われても喜んでできますよ!そのくらいいいキットなんです。
持ってるけど作ってない、と言う方がいたら是非組んでみてください!
というわけで、J.J.の失敗談のコーナー、じゃなかった、リック・ドムの製作記事でした。
さて、次はオラザク出品用のキットに取り掛かります。RRMのオリジナルストーリーに登場する、J.J.専用の機体。詳細はまだ秘密ですが、制作過程は、ぼくのブログでガンガン晒していきますんでお楽しみに!
皆さんもRRMオリジナルストーリーに登場してみませんか?
詳しくはトップページの「RRM流オラザク参加」を見てくださいね!
June.2006 J.J.