HGUC ザクU
使用キット:BANDAI 1/144 HGUC ザクU

製作・文:レオン
■ ザクって
ファーストガンダムを語る上で絶対にはずせないMS、それは誰に言わせても「ザク」のはず。かくゆう私も、ザクにはそれなりに思い入れがあります。はじめて作ったガンプラが1/144のザクでした。たこのような口と動力パイプ、モノアイとかなり個性的な出で立ちは当時子どもだった私にはかなり新鮮なものでした。そしてそれまで、敵のメカを買うと言うことすらありえないと思っていた私がガンダムをさしおいて買ってしまったのだからそれだけ魅力的だったのでしょう。
今の技術でキットになったザクを大人になった自分がつくるというシチュエーションをみなさんもそれぞれに楽しんでいるはずですよね。今回はそれぞれの思いがどう表現されるのかをとても楽しみに、そして自分なりの「ザクってこうだよなー」ってにやにやしながら作ってみることにします。

■ 仮組み
実は仮組み自体は、1年以上前に買ってすぐにやってあったのです。そしてうちの片隅でほこりをかぶって熟成させてありました。HGUCシリーズはアニメのイメージを重視したシリーズなのでまさに昔テレビで見たザクって感じですよね。でもその分面白味に欠け、ごく普通のキットなのでその後の製作意欲がいまいちわかないのでそのままにしてしまっていました。
仮組みした後、自分のイメージに合うよう改修ポイントを考えました。
@ 頭:なんかこの形好きじゃありません。できればモノアイも表現したいなあ。(気がつくと顔が気に入らなくていじっているケースが多いかも。○△□は顔が命!)
A 左肩アーマー:もっと大きい方がいいなぁ。
B 胸:これまたもっと張り出してた方がいいなぁ。
C スカート(腰アーマー?):もっと厚みがほすぃ。
D マシンガン:みんなと同じじゃいやん。

■ 改修作業
@ 頭編
まずは頭。なんか縦に長くてあんまり好きではありません。パーツ分割もラインが見えないように工夫されているのでしょうが、MGなどのような分割面が出ている方が好きだなあ。このキットの頭だとなんかおぼっちゃまっぽくて敵という感じじゃない気がして・・・。ザクはもっと悪っぽいほうがいい!ということで大改修をしようと思ったのですが、結構大変そうなので別キットでイメージが近いものを流用することを考えました。
えっと、1/144の別キットといってもねえ、HGUCシリーズは基本的に変わらないし、ハイザックでは形状が違いすぎるし・・・・ということは残るはファーストグレードか?ということでFGを入手しました。なるほど形状はHGUCよりは私のイメージに近いようです。でもしょせんはFG、モノアイガードも一体成形で首関節もボールジョイントじゃない。一応モノアイガードを切り取り、首もボールジョイントを仕込もうと努力をしましたが、いかんせんクリアランスがとれずうまくいきません。
悩んでいたある日、宇都宮の某ホビーショップを何気なく見ていたところあるじゃありませんか、もっといい素材が!それは「HGのザク」。私は実はその存在を知りませんでした。なにせ見たこと無かったものですから。でもそのショップで売ってるのはある程度ランナーから切り取ってビニールの袋に説明書もなくごちゃごちゃ入っているやつです(パッケージすら知らない)。こりゃかなりええですわ。ちなみにHGザクは、08小隊版のザク(らしい。ほんとは知らない)でモールドがしっかり入っていてちょっと細身。こいつの中にポリキャップと市販のバーニア、Hアイズを使ってモノアイをつくり、瞬間接着剤の入っていた透明プラパッケージを適当に切ってモノアイガードにしてみました。

A 左肩アーマー
別にキットのままでも良かったんだけど、1度スパイクのディテールアップパーツを使ってみたかったのです。そこで購入したのが真鍮切削製スパイク「富士F2型」(たぶん1/100用だと思う)それがでかいのでバランスをとるためにアーマー自体をポリパテで厚みをつけるとともに大型化しました。なんか取り付け角度がうまくいかなかったのでちょいとへなちょこですが、ノーマルよりは結構強そうに見えます。


B 胸
肩アーマーがでかくなると、バランスをとるために各部をマッチョにする必要があります。コクピット両側の胸のラインにパテを盛りつけて成形しました。(豊胸整形?)


C スカート
胸と同じ理由で、エポパテで厚みをつけました。小林誠氏アレンジのザクがこんな感じでかっちょえーかったのでそれに近づけたいなと思ってやってみました。だがしかーし!これをやってしまうとスカートが足に干渉して開きっぱなしできちんと閉じない!なんてこった。いやんエッチ!隙間からのぞかないでね。

D マシンガン
みんなでザクを作るのだったら、やっぱりオリジナリティがほしいなと思っていたので、武器ぐらいは違うのを持たせたいなということで、「U.C.ARMS GALLERY 01 〜ジオン軍実弾兵器開発史〜」のZMP-47D 105mm/120mm マシンガンをそのまま使ってみました。それと同時に、手首にB−CLUBのハイディテールマニュピレーターを使いました。マシンガンを持たせるためにハンドグリップのグリップエンドを1度切断し、真鍮線を使って差し込めるようにしました。たぶんギャラリーの写真には、きちんと差し込んでいない状態が写っていると思います。
ザクTの武器だから弱そうですが、側面縦置きドラムが気に入っているのでいいんです。

■ 塗装&仕上げ
これもまた同じ緑でも人によってイメージがちがうと思います。私の場合、兵器らしさがあったほうがいいなと思ったのでミリタリー風のカラーリングにしてウエザリングやドライブラシを強めに入れ、使用感を出したいなーと思いました。しかしグリーンといっても市販塗料にはずいぶんたくさんの緑色が売ってるんですね〜。店頭でふたを開けてみるわけにも行かないのでふたの色だけを見比べているうちに、なんだか何がなんだかわからなくなってしまって結局数本買って帰り、比較検討して決めました。こりゃ金がかかるわい。デカールはガンダムデカールのうちにあったものを適当に貼りました。今回ディテールとデカールはやりすぎないように心がけ、アニメチックにもならず、バリバリのリアル兵器にもならずといった中間的な感じに仕上げてみました。
カラーレシピ(いつものように面倒なので混色はなし)
薄いグリーン:クレオス122番 RLM82ライトグリーン
濃いグリーン:クレオス120番 RLMオリーブグリーン(たぶんこれだったと思います。確認しないで片づけてしまったのでまちがってるかも・・)
グレー:ガンダムカラーCG101 ファントムグレー
ウォッシング:フラットブラック+フラットブラウン
ドライブラシ:コックピット色→スカイグレー

■ ザクって(再)
やっぱりザクっておもしろいですよね。兵器としての汎用性が高い分、人によるイメージの違いもほかのMSよりもかなりバリエーションにとんでますものね。模型道のコラムにもあったように、ただのやられメカのはずなのにこれだけ多くの人に愛されるなんてすごいですよね。こんなMSはこれから先もう出てこないんじゃないでしょうか。
この年になってザクを作ってみるとファーストガンダムに夢中になっていたころを思い出します。なんかノスタルジックで他のキットとはまた別の楽しみがあったように思います。